晴耕雨読

晴耕 2020.05.22

建物の性能vol.2【住まいの空気環境】

■換気の種類
住まいの換気には、窓を開け、自然の風を通して吸排気を行う「自然換気」と、換気ファンなどの機械によって強制的に給排気を行う「機械換気」があります。

さらに、機械換気には次の3つの種類があります。

①第一種換気
給気にも排気にも換気ファンを用い、機械で強制的に換気を行います。

②第二種換気
給気は換気ファンで強制的に行い、押し込まれた空気によって室内の空気が排気口から自然に排気される方法です。ただし、一般住宅にはあまり使われません。

③第三種換気
排気は換気ファンで強制的に行い、給気は換気口を設けて自然に行う方法です。トイレやキッチンなど、臭いや熱気、汚れた空気が発生する場所に排気ファンを設ける一方で、個室や寝室などの新鮮な空気を必要とする場所には給気口を設けます。

■内海建設が推奨する換気システムとは
内海建設では、上記の①第一種換気にあたる「熱交換型」の換気システムを推奨しています。このシステムは、給気の際に空気をラジエーターに通過させ、チリや花粉などを排除すると同時に、空気を室内の温度に近づけてから室内に採り込みます。
夏や冬に室内の温度を適切に保ったまま空気だけをきれいにできるので、年中快適でクリーンな住環境を保てます。

■入浴後の換気は窓でなく換気扇で!
6月に入って梅雨が始まると、特に気になるのが水回りの湿気やカビです。
特に浴室は、間違った換気方法によって余計に湿気がこもってしまう場合があります。

昭和の時代の習慣で、浴室を使用後に湿気を外に出そうとして窓を開ける人がいますが、実は、これは間違いです。

入浴後に窓を開けると、外の空気が浴室に一気に入り込んで圧力がかかり、浴室内の空気を洗面・脱衣場の方へ押し出すことになります。そうすると、湿気を含んだ空気が洗面や脱衣室にまで広がってしまい、カビの原因となります。特に、浴槽にお湯を貯めた状態で窓を開けると、湿気が余計に洗面・脱衣場に流れ込んでしまいます。

浴室の窓の本来の役割は明かりとりであって、換気のためのものではありません。
ですから、浴室を使用後は、窓を開けるのでなく換気扇を付け、湿気を含んだ空気を外に排出するのが正解です。換気扇を使えば、強制的に湿気を含んだ空気を排出することができます。

換気扇で空気を強制的に屋外に排出すると、浴室内の空気の圧力がマイナスになります。すると、浴室のドアの隙間から住居内の乾いた空気が浴室に流れ込んできます。浴室のドアは閉まった状態でも自然と空気が入ってくるようになっているので、換気扇をかけてドアを閉めておくだけで浴室内の湿気を排除できます。

もっと効果的なのは、入浴後だけでなく換気扇を24時間つけっぱなしにしておくことです。
つけっぱなしにしておいても電気代は月数円程度なので、カビの排除にお金をかけるよりもずっと経済的です。逆に、ちょっと使うだけだと、換気扇のダクト内に水分が付着して、カビが発生する危険性があります。

「夏は浴室の中の温度を下げた方がカビが生えにくいから」と言って、入浴後、浴室内に冷たい水をかける人がいますが、実はそれも間違いです。

ガラスのコップを水で洗うのと、お湯で洗うのとでは、どちらが早く乾くでしょうか。
もちろん、お湯で洗うときですよね。
それと同じで、入浴後、湯気が出ている間に換気扇をすぐ付けた方が効率よく浴室内を乾かすことができます。特に冬は入浴後に窓を開けたりすると、水滴が冷たくなっていつまでも浴室内が乾かなくなってしまいます。
また、浴室内の掃除も浴室内が温かいうちにしたほうが、皮脂がとれやすくきれいになります。

このように、換気の正しいしくみを知れば、カビや湿気の心配もなく、室内を快適&クリーンに保てます。
換気に関する心配事やご相談は、内海建設にお気軽にお問い合わせください。

文:代表取締役 内海 明

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