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岡田 晴耕 2022.12.02
内海建設の家づくりスタッフをご紹介します【VOL11】
みなさまこんにちは。LIXILリフォームショップUTSUMIの店長・岡田です。
当社の家づくりスタッフとしてご協力いただいている業者さんをご紹介するシリーズ。
今回ご紹介するのは、木製建具をつくる仕事をされている「梅田建具店」の店主・梅田さんです。
梅田さんは非常に優れた技術を持つ職人さんで、以前当社が古民家の再生リフォームを手掛けた際に、古い建具をとてもきれいに再生していただきました。
梅田さんの技術がなければ、私たちも古民家再生の仕事はお引き受けできないくらい貴重な存在です。
※古民家再生の建具(菊川市Oさま邸)
【スタッフ紹介】
梅田建具店 梅田 真志さん(一級技能士)
Q:梅田建具店さんはどのような会社ですか?
僕は今57歳で、2代目の店主なのですが、店を創業したのは父親です。僕は高校を卒業してから、他の建具屋さんに修業に出て、親方のもとで丁稚奉公をしました。そのまま父親のもとで働けばいいのに・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり身内で教えてもらうと甘くなってしまうので、外で揉まれてこいということで・・・(笑)。
それで、浜松の建具屋さんで5年間働いてから、1年間そこで御礼奉公をして、実家の建具店で働くようになりました。
ですから、修業期間を入れると、もう39年も建具を作っていることになりますね。
Q:梅田さんは一級技能士の資格をお持ちですが、それはいつ取得したのですか?
一級技能士は、修業期間を終えてから、まず二級技能士をすぐに取得して、それから5年間経たないと取れないんですよ。ですので、働き出して10年目で資格を取得しました。
Q:梅田建具さんではどのような建具を扱っているのですか?
父親と一緒にやっていた頃は、アルミサッシや注文家具も扱っていたのですが、職人さんがどんどん減ってしまって、今では一人きりになってしまったんですよ。
一人ではなかなか仕事がこなせないので、現在は、室内の襖や障子、ドア、小さな扉といった木製建具だけを手がけています。
Q:建具業界は全般的にどんどん人が減っているようで、こんなに素晴らしい日本の伝統技術が失われていくのは本当に寂しいことですね。
そうですね。最近は和室が減ってきているので、襖や障子の注文も少なくなっています。「規格建具」といって、大量生産のものが主流になる中で、寸法を取ってから注文で作る建具はどんどん姿を消すばかりです。
僕たちも、せっかく技術を持っていても、それを発揮できる機会が減ってきているので、残念な限りですね。
Q:内海建設さんとのおつきあいはどのくらいになりますか?
内海建設さんとは、もう10年ぐらいのお付き合いになるかな・・・。
以前、内海建設さんの仕事を受けていた建具屋さんが高齢でやめてしまって、その方が内海さんにうちの店を紹介してくださったのがきっかけです。以来、私がずっと担当させていただいています。
Q:当時の会社の雰囲気はどうでしたか?
他の工務店さんと比べてはいけないのですが、僕たちが普段、工務店さんを訪ねるときって、なんとなく敷居が高いというか、入りにくい気がするんですよ。大きな工務店さんだと、監督さんがいて、営業さんがいて、事務員さんがいて・・・という感じで、入った途端に皆からギョロッと見られるみたいな・・・(笑)。
でも、内海建設さんの場合は、すごく気軽に入れるんです。言い方がおかしいかもしれませんが、いつもアットホームな雰囲気なので、「こんちわー」っていう感じで入ってこれちゃいますね(笑)。
だから、僕もね、お客様に「どこかいい工務店はないかな」って相談されたときに、絶対的に内海建設さんをおすすめしているんです。自分の家や兄の家も以前、他の工務店さんで建てたんですが、今ではすべて内海さんに面倒をみてもらっています(笑)。
Q:内海建設の良いところは?
社長をはじめ女性スタッフさんがすごくしっかりしていて、男性ではちょっと気がつかないようなところにまで目が行き届くんですよ。それがすごくいいところだと思います。
お客様と打ち合わせに行くと、ご主人よりも奥様の意見が取り入れられることが多いので、そういうときに女性の力がすごく発揮されているんじゃないかな。
僕の友達の家に、足腰の悪いお父さんがいたんですが、内海さんは福祉関係のことも詳しいので、リフォームの際にとても頼りになったんです。そういうところもしっかりしているし、すごく良い工務店だと思いますね。だからお客様にも安心して紹介できるんです。
Q:当社の仕事で印象に残っているのは?
内海さんからは、収納扉など、建具全般をよくご依頼いただきますね。以前、古民家の建具をリメイクしてとても喜んでいただいたことがありますが、それは、設計士さんから古民家再生に関わる仕事を何件か受けたことがあるもんだから、たまたま得意だったんですよ。
それから、組子細工などの飾り物もやります。昔はよく静岡県の展示会や全国大会に出展して、当時は1ヶ月くらいかけて飾り物を作ったりしていましたね。
その頃は父親もいたので、自分が作品作りにかかりきりになってもいい時代だったんですが、今は一人きりになったので、なかなか仕事をしながら飾り物の出展物に取り掛かるのは難しいですね。
Q:梅田さんの後を継ぐ技術者はいないのですか?
建具の仕事に興味を持ってくれる人は、今の時代ではなかなかいないんですよ。実は、僕には息子がいますが、先が見えない仕事なので、自分からは後を継いでくれとは言えなかったです。だから多分、梅田建具店も自分の代で終わりになるでしょうね。
でも、建具屋がいなくなったら、お客様も修理に困ってしまいますよね。今でさえ、修理をどこに頼んで良いかわからない人がいっぱいいるので、内海建設さんを通じて僕のところに依頼があったりします。
日本の伝統的な建築技術を継承するためにも、これから家を建てる若い世代の方々は、開ければ良い・動けば良いではなくて、建具の品質などを考えて選んでいただけるといいですね。
Q:仕事のやりがいはなんですか?
やっぱり、お客様に喜んでもらえると何より嬉しいです。今日も午前中にお客様から襖の張り替えを頼まれて伺ったんですが、僕の場合は、ただ襖の張り替えをするだけではなくて、動きの調整などもやって差し上げるので、「えっ!こんなに軽くなるの?」と、とても喜んでいただけました。
Q:プライベートでのご趣味は?
趣味は色々あって、一番ハマっているのは、30年以上続けているバス釣りです。月に1回くらいしか行けませんが、琵琶湖のマリーナに船も置いてあります。
船は高額なので1人では維持できませんから、仲のいい釣り仲間3人と共同で所有しているんですよ。3人中2人はプロなので、2人にいつもくっついて釣らせてもらっています(笑)。
琵琶湖へは泊まりがけで行き、冬でも釣れるので年中やっています。
それから、クワガタの飼育も趣味なんですよ。国産の大クワガタや外国の大きなクワガタを専門店で教わりながら育てていて、卵から幼虫にかえらせるのがすごく楽しいですね。菌糸ボトルにクワガタを入れて食べさせるとどんどん大きくなるんですよ。それを3回、4回入れ替えて、2年間くらいかけて大きくさせています。
普通は1年くらいで成虫になるものもありますが、それを2年かけて大きくするんですよ。この間、たまたま僕が卵から成虫に変えたパラワンオオヒラタクワガタのメスが59ミリの大きさで、そのことをお店に伝えたら、「これは大きさがギネスだよ」と言われて驚きました。でも、残念ながら1日で世界記録を抜かれました(笑)。
あとは、アニメも好きで、いろんなものを観ますね。アニメにハマったきっかけは、娘が好きで、声優の学校に通ったこともあったものですから、一緒に観ていたら楽しくなってしまって。
僕は、一度ハマり出すと極めるタイプなんですよ。だから、仕事も完璧でないとダメなんです(笑)。
Q:これからの目標は?
実は、一昨年前に癌を患ったんです。でも、おかげさまで転移もなく元気になれたので、今は安心しています。そういう経験もしたせいか、やはり命ある限りは仕事を頑張って、趣味を思い存分楽しむことが目標かな(笑)。
梅田さん、どうもありがとうございました。一級技能士として素晴らしい技術をお持ちの梅田さん。ご自身が完璧主義とおっしゃるように、仕事もとても丁寧で、お施主様からも信頼を集めています。これからも内海建設の仲間として、ずっとご活躍を期待していますので、どうぞよろしくお願いします。
梅田さんがインタビューでおっしゃっていたように、「ご自宅の建具の建て付けが悪い」「襖を張り替えたい」「建具を変えたい」など、何か建具のことでお困りのことがあったら、ぜひ内海建設にお声をおかけください。当社を通じて梅田さんをご紹介しますので、お気軽にどうぞ。
文:LIXILリフォームショップ UTSUMI 店長・岡田