STAFF BLOG
岡田 晴耕 2023.08.18
「ここちリノベーション」でお家の性能をこれからのスタンダードに!
みなさまこんにちは。LIXILリフォームショップUTSUMIの店長・岡田です。
せっかくのお盆休みに台風が直撃。皆様のお宅は大丈夫だったでしょうか?
これから台風シーズンが始まるので、物が飛ばされたりしないように
窓周りや庭などを再度チェックしておきましょう。
さて、今回は前回に引き続き、住宅の『断熱性能』の話題です。
これからは住宅の断熱性能のレベルが国策としてかなり引き上げられるということを
前回お伝えしました。
新築については、新しい断熱等級をベースに、より気密・断熱性能の高い住宅がつくられていくことになります。では、既存の住宅の断熱性能はどのようにすればいいのでしょうか。
そこで今回は、既存の住宅の断熱性能を高めるリフォームの必要性と、
断熱性能を上げて心地よく暮らす「ここちリノベーション」の方法についてご説明します。
●窓やドアなどの「開口部」の性能向上
実は、住宅の中で最も熱の出入りが激しいのが、窓やドアなどの「開口部」です。これからより快適・健康で省エネな住環境を実現するには、高性能な窓やドアを選択することが大事です。
上の図のように、夏は開口部から全体の約73%の熱が流入してきます。
一方、冬は開口部から全体の約58%の熱が逃げていきます。
■窓の断熱リフォームとは
住まいの断熱性能を高めるには、窓の断熱リフォームがもっとも即効性の高い手段です。
窓の断熱リフォームの方法には次の2種類があります。両方とも工事はたったの1日で完了するので、気軽にリフォームできますよ!
方法① 取替窓の「リプラス」(戸建て専用)
カバー工法で古い窓を新しい窓に交換!最近話題のトリプルガラスも可能です。
気になる傷みや老朽化だけでなく、ガタつきや隙間風などの不具合も解消できます。
トリプルガラスに交換すれば、さらに高い断熱効果を得ることも可能!
結露も軽減し、エアコン効率もアップします。
詳しい商品説明はこちら↓
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/replus/
方法② 内窓の「インプラス」(戸建て・マンション用)
今ある窓の内側に、もう1つ窓をつける方法です。内窓を付けることで生まれる空気層が、断熱効果に加えて防音効果や防犯効果を発揮。光熱費の節約にもなります。
詳しい商品説明はこちら↓
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/inplus/
●冬の「日射熱利用」でさらに省エネ
窓から上手に日射しを取り込むことで、住まいがより快適になります。冬は低い位置から南面に光が入ってくるため、南面に大きな窓を設けると、暖房負荷を軽減できます。
<方位別の窓・ガラスの選び方>
まず、部屋の方角によって明るさの特徴は異なります。普段選ばない方角の部屋が意外と快適な場合もありますので、自分に合った方角を知っておくと便利です。
・南向きの部屋・・・年間を通して1日中陽射しが入りやすく、日照時間が一番長いです。
・東向きの部屋・・・朝日が入り、午後にはかげります。日照時間は西向きと同じです。
・西向きの部屋・・・朝は日が入らず、午後にかけて日が入ります。日照時間は東向きと同じです。
・北向きの部屋・・・1日を通して日当たりは良くありません、日照時間は夏以外ありません。
次に、方角によって窓の大きさやガラスなどの選び方も工夫が必要です。
・南向きの窓・・・冬に陽射しをたっぷり取り込めるLow-Eクリアのガラスがおすすめ。窓は大きめに設け、夏はひさしやシェードで陽射しをカットしましょう。
・東向きの窓・・・朝の日射量が多いため、ダイニングに最適。窓は小さめから中くらいの大きさの窓が適当。光と風を効果的に取り込めるウィンドキャッチの窓もおすすめです。
・西向きの窓・・・夏は西陽が差し込まないように対策が必要です。窓は小さめで横長タイプがおすすめ。隣家と接している場合は、陽射し対策と視線対策のために地窓を配置するのも良いでしょう。
・北向きの窓・・・陽射しが入りにくいので、冬の寒さ対策や結露の軽減を優先し、窓は小さめに。断熱効果の高いLow-Eグリーンのガラスがおすすめです。
●南面の窓とガラス選びのポイント
冬に南面お窓からの日射熱を有効活用できれば、効果的に部屋を温めることができ、エアコンの電気代を減らして省エネにもつながります。ただし、夏は逆に日射量が多いと室内が暑くなるので、ひさしやシェードを利用して日陰を作りましょう。
ポイント1 南面の窓は大きめに!
一般的な掃出窓は大きさが2メートルですが、天井いっぱいの高さまで窓をおきく広げることで、部屋の奥まで陽射しを取り入れることができます。窓からの日射熱の取得率も高まり、暖房効率がアップします。
ポイント2 日射熱を取り込むタイプのガラスを選ぼう!
Low-Eガラスには、「日射熱を抑えるタイプ(グリーン高遮熱仕様)」と、「日射熱を採り入れるタイプ(Low-E膜)」の2種類があります。Low-E膜の特殊金属膜は、クリアタイプを選ぶと日射熱をより多く採り入れることができます。
ポイント3 フレームがスリムな窓を選ぼう!
サイズとガラスの種類が同じ窓でも、次のようにフレームの材質によって日射熱取得率が変わります。そして当然ながら、フレームが細い方が日射取得を多く得られます。
さらに、L I X I Lのハイブリッド窓はガラス面積の最大化にこだわった商品であるため、実際には外皮計算による日射熱取得量以上の効果が得られます。
●断熱+パッシブデザインで年中快適・省エネに!
地域の気候や立地条件に合わせて、断熱や日射熱取得、自然風の利用や日射遮蔽、中高利用を含めたパッシブデザインに取り組むことも、これからの家づくりの重要なポイントです。
パッシブデザインとは、機械に頼らず太陽の光や熱、風といった自然の力を利用して、室内を快適かつ省エネに保つ設計技術です。照明や冷暖房などのランニングコストを抑え、地球にやさしい家づくりを目指すには、必須要素です。
●壁や床に断熱材を充填する「断熱リフォーム」
築年数がかさんだ家は、窓の断熱だけでは家の中全体の断熱性を高めることはできません。そのため、壁や床に断熱材を施す「断熱リフォーム」を行います。
●「断熱リフォーム」ができる場所
次に、建物のどの部分に断熱リフォームを行うことができるかまとめました。
1:壁・天井・床下
壁や天井、床下は、最も断熱効果を実感できる場所です。断熱材を入れたり、断熱効果の高い素材に替えたりすることで「断熱リフォーム」が可能です。工事期間も短くて済み、住みながらリフォームも可能です。また、床下の場合は床裏から断熱材を入れることもできます。
2:屋根や外壁
屋根や外壁には、断熱効果のある塗料を塗ることで断熱効果を高めることができます。現在は断熱効果のある屋根材や壁材もあるため、併用するとより高い効果が期待できます。
このように、断熱リフォームを行うことで、既存住宅でも新築住宅に相当する断熱性を新たに得ることができます。そうすれば、夏の暑さや冬の寒さを解消でき、冷暖房の効果も上がり、光熱費を抑えることも可能です。そして、今よりももっと健康的で心地よい暮らしが叶います。
皆さんのお宅の性能も、これからのスタンダードに近づけていきませんか。
まずは現在のお宅のお悩みごとのご相談や、現状の性能チェックなども承りますので、ぜひお気軽にどうぞ。
文:LIXILリフォームショップ UTSUMI 店長・岡田