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岡田 2023.08.09

住宅の断熱性能が本気で問われる時代です。

みなさまこんにちは。LIXILリフォームショップUTSUMIの店長・岡田です。
毎日うだるような暑さが続きますね。年々夏の暑さが過酷になってきているようで、これから先一体どうなってしまうのか、不安を感じます。

実際に、地球の平均気温は今後も上昇し続け、最悪の場合、21世紀末には約5.7℃前後気温が上昇する可能性があるといわれています。


そのため、全世界的にカーボンニュートラルの実現に向けた動きが活発化し、日本でも省エネ政策が一気に加速化し始めました。
それに伴い、家に求められる性能もどんどん高まっています。
そこで、これからの家づくりはどう変わっていくのかについて、できるだけわかりやすくご紹介したいと思います。もちろんこれからリフォームを検討される方にとっても、性能リフォームの重要性がお分かりになると思いますので、ぜひご一読ください。

これからの日本の家づくりはどうなる?

2022年、国は住宅の性能表示基準を改正し、断熱性能の上位等級5・6・7を新たに設けました。これまでは断熱性能4が一般的な住宅の最高等級とされていましたが、今後はより高度な断熱性能が求められます。


さらに、2025年には省エネ基準への適合が義務化されます。
2025年度以降は、住宅を含むすべての新築の建物が断熱材の厚さや窓の構造などの基準を満たすことが求められます。
さらに、2030年には義務化の基準がZEH基準レベルへ引上げられる予定で、建築物分野での省エネ対策が加速しています。
つまり、これからは省エネ住宅が当たり前。
住宅の断熱性能が本気で問われる時代を迎え、高性能な家づくりのニーズが高まっています。

光熱費の高騰で家計の負担が増大

次に、光熱費の面からも、住宅の性能について考えてみましょう。
今年の冬、ロシアのウクライナ侵攻など、不安定な世界情勢の影響を受けて化石燃料の価格が上昇し、光熱費が高騰しました。値上げ傾向は今後も続くことが予想され、家計への負担がますます増えることが予測されます。
では、各家庭で光熱費を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。

住宅の断熱性能を高めて光熱費をカット

次のグラフは、家庭の消費エネルギーの割合を示しています。


ご覧のように、電気代の出費を抑えるには、家庭の消費エネルギーの約4分の1を占める冷暖房を抑えると効果的です。
冷暖房日を抑えるには、ズバリ、住宅の断熱性能を向上させることが重要です。

省エネ・節電のためだからといって、冷暖房を使うのを我慢してしまうと、家族の健康に悪影響を与えます。断熱性能の高い家は、我慢しなくても冷暖房費を抑えられるので、省エネだけでなく、健康・快適な暮らしにつながります。特に、冬は効果的です。

断熱性能と健康の関係性を知っておこう

住宅の断熱性能を高めると、健康を改善することにもつながるということが最近の研究によって明らかになりました。そのため、高断熱住宅に対する人々の注目度が高まっています。

室温は、住む人の健康状態にさまざまな影響を与えます。
住宅の断熱性能を向上して快適な温熱環境を維持することで、健康への好影響が期待できます。

WHO(世界保健機関)は、寒さから家族を守るために必要な室内温度として、18℃以上を強く勧告しています。特に、高齢者や慢性疾患患者がいる家は、18℃以上の温度が必要となる場合もあるとしています。


また、イギリスの調査によると、室温が16℃以下の環境は、高齢者が呼吸器疾患や心血管疾患などを起こす危険性があり、大きな健康リスクがあると発表しました。
また、冬に室温が10℃以下になると、心臓発作、脳卒中などの心血管疾患による死亡率が50%上昇するという報告もあります。
もちろんこれはイギリスだけでなく、日本でも最近ヒートショックが問題視されているように、同じような状況にあると言えるでしょう。

このように、地球温暖化の問題だけでなく、光熱費や家族の健康面から考えてみても、これからは省エネ性能をレベルアップしていくことが必要です。
最近は生活者の住まいの性能に対する意識も高まり、LIXILのアンケートによりますと、「住まいの断熱性能への関心があるか」という問いに対して、68%もの人々が「ある」と回答しています。


では、実際に新築やリフォームの際、どのようにすれば住宅の省エネ性能を高めることができるのでしょうか。次回はそのことについて詳しくご説明します。

文:LIXILリフォームショップ UTSUMI 店長・岡田

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