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岡田 晴耕 2022.05.20
ペットと幸せに暮らす家づくりの秘訣とは〜前編:ネコと快適に暮らす〜
みなさまこんにちは。LIXILリフォームショップ UTSUMIの店長・岡田です。
コロナ禍の影響で「おうち時間」が増え、最近ペットを新しく買い始めるご家庭が急増しているそうです。
ペットと一緒に暮らすことで、人間の体内で「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌が促進されることもわかってきました。
オキシトシンとは、リラクゼーション効果や安心・信頼といった感情をもたらす効果があるホルモンです。
そのため、ペットを飼うことは、子どもの情操教育や、高齢者にも良い影響を及ぼすといわれています。
当社でも、これまでに動物病院の改修工事をやらせていただいた実績があります。
また、私が愛犬家住宅コーディネーターの資格を持っていたため、LIXILの本社からペットと暮らす家づくりについての意見を求められたこともあり、以前からペットと幸せに暮らすにはどんな住まいをご提案すべきか考えてきました。
最近は、人間と同様に犬や猫などのペットも快適に暮らせるように、床やステップなどの設備も多様化しています。
そこで、ペットの代表格であるワンちゃんとネコちゃんにスポットを当て、ペットと幸せに暮らす家づくりの秘訣を考えてみたいと思います。
前編は、当社のスタッフ・新井も夢中になっているネコちゃんとの暮らしを考えます。
一般社団法人ペットフード協会が2020年に実施した調査によると、国内で飼われている犬は848万9千頭、猫は964万4千頭。合わせて1813万3千頭が飼われていることになります。
ここ数年は犬の飼育率が減少傾向にある一方、猫の飼育率は微増しています。
猫の人気が上昇傾向にあるのは、飼いやすさや、飼育費用が犬よりも安いこと、毎日散歩をしなくていいことなどが理由として挙げられます。
そこで、まずは猫の基本知識を知っておきましょう。
■飼い猫のルーツはいつ・どこで?
現在の飼い猫の祖先は「リビアヤマネコ」という猫です。
りビアヤマネコは、今から13万年前に中東またはアフリカで誕生しました。
その後、リビアヤマネコの一部が人間の生活圏内に入り込み、残飯やネズミを食べて暮らすようになったのです。
それらの猫のうち、特に人間に慣れやすい種類の猫が家畜化され、繁殖を重ねて現在の「イエネコ」へと進化を遂げました。
ということは、現在「イエネコ」と呼ばれている一般的な猫は、人間と共生することが前提で生まれてきたことになります。
つまり、イエネコは人間なしでは生きられない生き物なのです。
イエネコの品種は50種類程度あり、飼い猫の8割は雑種です。
猫は形や種類の変化や人間による品種改良も犬に比べてわずかでしたが、最近は人気上昇に伴い、意図的に掛け合わせた品種が増えています。
■猫の性格や生活習慣について知っておこう
犬は昔から群れて生活する習慣がありますが、猫は単独で狩りをします。
そのため、自分の身は自分で守るという習性があり、犬に比べて警戒心が強く、しかも臆病な面があります。
飼い始めてから慣れるまで時間がかかるのもそのためです。
犬と比べてあまり鳴かないのは、猫同士でコミュニケーションを取る必要がないからです。
飼い猫が家で鳴くのは、飼い主にご飯が欲しいという要望を伝えたり、甘えたりしているときで、飼い主への信頼と安心感の表れでもあります。
■猫が好きな遊びについて知っておこう
飼い猫は室内で生活し、犬と違って散歩をすることもないため、運動不足は肥満やストレスにつながります。
そのため、室内でも飼い主が遊んであげることが大切です。
おすすめの遊びは「狩りごっこ」。
獲物のおもちゃを動かして、待ち伏せしたり、飛びついたり、仕留めたりといった動作をさせてあげましょう。
また、多頭飼いにすると、お互いにじゃれあって、必然的に遊ぶ機会が増えます。
■猫と一緒に暮らすときにはこんなことに注意しよう!
さて、次に猫と一緒に快適・安全に暮らすために、最低限必要な注意事項についてまとめました。
『脱走防止対策は万全に!』
猫にとって屋外は交通事故や感染症などの恐れがあり、危険がいっぱい。猫は本来好奇心旺盛な性格なので、ちょっとした隙に外に出ようとします。
そのため、窓やドア、玄関の脱走防止対策を念入りにしておきましょう。
<具体的な対策>
・引き戸の窓は猫が自分で開けないように、「網戸ロック」などのロックを取り付けましょう。
・レバーハンドルタイプの開き戸は、横向きのハンドルではなく縦向きに取り付けましょう。
横向きだと、猫が開け方を学習し、自分で開けてしまうこともあります。
・玄関は常に鍵をかけ、玄関の手前に格子戸やガードを取り付けて、猫が玄関に出ないようにしましょう。
ペットガードは高さが低いので、飛び越えてしまいます。
取り付けるのなら、天井に近い高さの柵がおすすめです。
②上下運動ができるように工夫しよう!
猫は高所から周囲を観察する習性があり、平面だけでなく立体的に活動します。
そのため、上下運動ができるようにキャットタワーやステップなどを用意してあげましょう。
ステップの幅は、猫が手を伸ばして届く範囲内にしないと、使わなくなる場合があります。
また、設置場所は窓の近くがおすすめです。
猫は窓の外の風景を見るのが大好き。
木々が風で揺れる様子、空を飛ぶ鳥、歩いている人などを見ると好奇心が満たされます。
新築などの場合にはキャットウォークやステップを設けてあげましょう。
<キャットウォークやキャットタワーを設ける時のポイント>
・猫は回遊する動物なので、行き止まりはストレスの原因となります。
キャットウォークを設ける場合は、行き止まりのない回遊動線を確保しましょう。
回遊動線上に休憩所を設けるといっそう喜びます。
・2匹以上飼っている多頭飼いの場合には、キャットウォークの幅を25cm以上にして、お互いにすれ違えるようにするのがポイント。
行き止まりをつくってしまうと、喧嘩して逃げるときに飛び降りるしかないため、ケガにつながりかねません。
・キャットタワーもキャットウォークも飼い主が掃除をしたり、猫を捕まえたりできるように、踏み台に乗れば届く高さにしておきましょう。
③水飲み場は複数の場所に設けよう!
猫はもともと砂漠地帯で生まれたので、あまり水分を取らなくても生きていけます。
しかし、飼い猫の場合は水分補給が足りないと尿が濃くなりやすく、排尿回数が減って泌尿器系の病気になる恐れがあります。
そのため、猫が健康を保つには、水分をしっかり摂ることがとても大切です。
野生の猫は、自分のテリトリーを巡回する途中で小川や水溜りの水を飲んで水分補給をします。
飼い猫も同様に、家の中を回遊する途中で水を飲めるようにしてあげましょう。
また、水飲み場は猫の動線上に数カ所用意するのが理想的です。
しかも、水は食事とセットで置きがちですが、実は猫はご飯と水を同時に口にすることはありません。
また、猫は食事で水が汚れることを嫌がります。
そのため、水飲み場は食事場所とは離れた位置におき、常に清潔な水が述べるように、少なくとも飼っている頭数+1か所を用意することをおすすめします。
さらに、器がヒゲに触れると嫌がる猫もいるので、大きめのサイズの器を使いましょう。
ステンレスやガラスなど、光を反射する素材は苦手なので陶器がおすすめです。
④爪研ぎ場を設けよう!
猫は、爪のメンテナンスやマーキングのために爪研ぎを行う習慣があります。
特に、寝起きや食後など、行動が切り替わるときに爪研ぎをすることが多いです。
そのため、普段の動線上や、部屋と部屋との境目など、猫が目につきやすい場所に設けてあげましょう。
⑤温度管理に気をつけて!
猫は体が毛で覆われている上に、人間のように体温調節を上手にすることができないため、寒さよりも暑さに弱い生き物です。
夏場は必ずエアコンをつけて室内を涼しく保ちましょう。
また、湿気も皮膚のトラブルを招く原因となるため、梅雨などで部屋がジメジメするときは、除湿機を使って温度と同様に湿度も適切に保ちましょう。
■猫と幸せに暮らすための住宅設備
LIXILでは、猫の暮らしを考えた住宅設備のラインナップを豊富にご用意しています。いくつかご紹介しましょう!
■『キャットウォール「猫壁(にゃんぺき)』
マグネットパーツで壁に愛猫のステップや休憩所を取り付けられます。
壁パネルをおうちの壁に取り付けて、ステップやトンネル、ボックスなどを好きな場所に貼り付けられます。
壁パネルはプレシャスホワイト、グレー、ネイビーブルーの3色があり、お部屋の雰囲気に合わせて選べます。
取り付けも簡単です!
詳細はこちらをご覧ください↓
https://www.lixil.co.jp/ouchijikan/article_livingroom_bedroom05.htm
■部屋を自由に出入りできる『ペットドア』
ペットが自由に行き来できるように、ドアにペットの出入り口が設けてあります。
高さ300mm×幅180mmのゆとりある開口サイズで、小型・中型のペットが自由に出入りでき、猫ちゃんにもぴったりサイズです。
詳細はこちら↓
https://www.lixil.co.jp/lineup/livingroom_bedroom/lasissa/feature/#anchor04
■爪で引っ掻いても丈夫な網戸『ペットネット』
網を樹脂コーティングすることで網戸の強度がアップ。
猫ちゃんがツメで引っかいても、網目がズレにくい構造となっています。
詳細はこちら↓
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/amido/variation/type/
■猫ちゃんが快適に暮らすための防音・断熱窓『インプラス』
「ここちリノベ」でおなじみの内窓「インプラス」は、室内の断熱性能を高め、暑い夏にもエアコン効果を高め、暑さが苦手な猫ちゃんが快適に過ごせます。
また、防音効果も高いため、猫の鳴き声などが周囲に漏れずにすみます。
猫自体も音に敏感で、大きな音がすると恐るため、外の騒音でストレスを感じずに済みます。
詳細はこちら↓
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/inplus/
■外出中の猫ちゃんを見守るIoTホームリンク「ライフアシスト2」
猫は犬よりもお留守番が得意ですが、1泊・2泊と旅行や出張で家を空けるときは、どうしているか気がかりで落ち着きませんよね。
そんなときはおうちをスマートホーム化することで、外出中でも家にいる猫ちゃんの様子がわかり、冷暖房などの室内環境も調整できます。
詳細はこちら↓
https://www.lixil.co.jp/lineup/smarthome/lifeassist2/
猫も犬も、大切な家族。一緒に幸せに暮らすためには、人間と同様にペットが暮らしやすい環境を用意してあげる必要があります。
LIXILリフォームショップ UTSUMIでは、お施主様とじっくりお話ししながら、どうしたらペットと一緒に快適に暮らせるかを考え、理想の住まいをご提案します。
リフォームはもちろんのこと、新築をご計画中のお客様もぜひお気軽にご相談ください。
また、当社の施工事例もぜひご覧ください。
https://utsumi-kensetsu.co.jp/works/
文:LIXILリフォームショップ UTSUMI 岡田 加容子