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社長 晴耕 2024.12.23
社長・内海のときどき独り言 〜 南アルプス・大井川上流紀行
こんにちは、内海建設の内海明です。
このブログでは、2024年の年末から『社長・内海のときどき独り言』を時々アップしていきます。
今回も、仕事から少し離れ、日ごろ思ったことや体験したことなどをつぶやいてみようと思います。
初回のテーマは『大井川源流域』。これについて、何回かに分けて書いていきます。
静岡県の地図を魚に見立てると、ちょうど背びれの部分にあたる場所に南アルプスの山々がそびえています(小学校のころには「赤石山脈」と教えられていました)。
ここは大井川の起点でもあり、私が住んでいる地域の上水道も大井川の水に支えられています。
そんな『大井川源流域』のうち、「椹島(さわらじま)エリア」には、2015年8月から縁があって植生調査のお手伝いで入るようになりました。
その調査成果は「南アルプス 大井川上流の自然」という書籍にまとめられています。この本は非売品で発行部数も少ないため、図書館でも見かけることが少なく、貴重な資料です。
椹島は、静岡県側の南アルプスに位置し、「赤石岳」や「聖岳(ひじりだけ)」、「荒川三山」などの名峰への玄関口となっています。
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南アルプス・大井川上流の自然との出会い
若い頃、私は県内の国道1号線から北側へ行くことはほとんどなく、主に海のほうにばかり関心がありました。それなので50代を迎えてから山の深い懐に足を踏み入れると、非常に新鮮な気持ちになりました(登山はしませんが)。
私の住む菊川市から椹島までは、距離にして約120㎞、車で約4時間かかります。
当時の林道は舗装されておらず、轍が深く、土埃が舞うガタガタ道でした。しかし、リニアトンネル工事の準備のため、現在はコンクリート舗装されており、運転もずいぶん楽になりました。
通常、一般車両は畑薙第一ダムを過ぎた地点から先へは進入できませんが、調査のために事前に許可を得て通行しました。
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ドロノキ群落の調査
2015年には、椹島からさらに奥に入った燕沢で、ドロノキの群落を調査しました。
この群落は国内最南端に位置する非常に貴重なもので、ヤナギ科ヤマナラシ属の落葉高木であるドロノキは、今では珍しくなった蝶「オオイチモンジ」の幼虫の食餌植物でもあります。
この調査の目的は、現在の自然環境を記録し、将来何らかの変化が起きた際に、変化前後の自然の状況を比較検討する資料を残すことでした。
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自然の中で
標高1200mの自然の中での二泊三日のキャンプは大変でしたが、それ以上に素晴らしい体験でした。
山間のテント場は夏でも涼しく、夕食時には薄いフリースを着込んでいました。
電気も電波も水道もない環境が新鮮で、夜、一人用のテントから顔だけを出して見上げた空は、星々が小さな穴を無数に開けたように輝いていました。
そんな南アルプス・大井川上流の自然を、次回も写真とともに綴っていこうと思っています。
どうぞお楽しみに。