STAFF BLOG

社長 雨読 2025.06.20

社長のきまぐれ建築探訪記】第一話「こども本の森 」

4月下旬、熊本市にある「こども本の森 くまもと」へ行ってきました。

行ってみたくなったのは、この本がきっかけです。



近年の図書館は、建築的な美しさやダイナミックさはもちろん、本の陳列、選書、サイン計画、家具のセレクトを工夫し、カフェを併設するなど、本との出会いや本を読むという体験に重きを置いた新しい施設が続々と登場しています。この雑誌では、それらを紹介しています。

そして、この雑誌の後に購入した『いたずらのすきなけんちくか』を読んでさらに行ってみたくなったわけです。


この絵本の原作者は、世界的な建築家「安藤忠雄」。

人気絵本作家の「はたこうしろう」が絵を担当した、安藤氏の初めての絵本です。

1冊の絵本を通して、子どもにわかりやすく建築のことを教えてくれる、今までにない内容でした。

『こども本の森』は全国に現在5か所あるようですが、熊本を選んだのは静岡空港から熊本便があって、調べてみると午前中の便で出発して午後の便に間に合えば、日帰りで帰ってこれられることが分かり、選んだという単純な理由からです(^^)/。 

我が家から自家用車でほぼ25分ぐらいで行ける静岡空港はすごく便利ですね。早めにチケットを取ると新幹線で行くよりも安価で行けました。

今回は『こども本の森』ということで、数人いる孫のうちの一人(小学4年生)に旅のお供をしてもらいました。


『こども本の森』の設計も、建築家の安藤忠雄さん。

安藤忠雄さんは、日本を代表する世界的な建築家です。

大阪の下町に生まれ育ち、若い頃はプロボクサーとして活動したという異色の経歴を持っています。

建築については独学で学び、専門的な教育を受けていないにもかかわらず、独自の情熱と行動力で道を切り開きました。

1969年に自身の建築事務所を設立し、1976年の「住吉の長屋」で注目を集めて以来、「光の教会」や「地中美術館」など、国内外で多くの代表作を手がけています。

安藤氏の建築は、コンクリート打ち放しの素材感やシンプルな幾何学的デザイン、自然光や周囲の自然との調和を重視した空間づくりが特徴です。

彼は「建築は人の人生や意識まで変える力がある」と考え、社会や都市のあり方にも強い関心を持ち続けています。

常に挑戦を続けるストイックな姿勢や、自分の信じる道を貫く生き方は、多くの人に影響を与えてきました。

1995年には建築界のノーベル賞とも呼ばれるプリツカー賞を受賞し、世界的な評価を確立しています。 その後、がんとの闘病を経て5つの臓器を摘出しながらも、現在も精力的に活動を続けています。既成概念にとらわれず社会や人々のための建築を追求するその姿は、建築を超えて多くの人々に勇気と刺激を与えています。



熊本の「子どもの森」の建物は、安藤さんが寄贈されたそうです


館内にはたくさんの絵本や児童書が並んでいるのですが、その展示の仕方がとても素敵で、どの本もまるで「ねえ、読んで!」と語りかけてくるよう。

絵本たちが生き生きとして見えたのがとても印象的でした。


「いたずら好き」とご本人もおっしゃるように、建物の中にはワクワクするような仕掛けが散りばめられていて、大人もついつい探検気分に。

まるで建物自体がひとつの絵本のように感じられました。



「いたずらの好きなけんちくか」とあって、階段の段差を利用した引き出しの中にも本が・・・


予約制ということもあり、混雑もなく、静かで心地よい空間の中で本を楽しめるのも魅力のひとつ。

子どもたちが真剣なまなざしでお気に入りの一冊を探す姿に、こちらまでほっこり。


本と建築と、そして子どもたちの未来をやさしく包むこの場所。

家づくりに携わる私にとっても、たくさんのヒントと感動をもらえる時間となりました。

そして子どもたちが安心して過ごせる、あたたかくてワクワクする空間。

そんな居場所を、家づくりのなかでも大切にしていきたいと、改めて感じさせてくれるひとときでもありました。

さて、次はどこへきまぐれ建築探訪に行ってみようか・・・

お問い合わせ