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社長 晴耕 2025.05.16
断熱等級って何?
皆さまこんにちは。5月に入って木々の緑がさらに輝く季節になりました。
最近の住宅関連のHPやSNS、チラシには必ずと言っていいほど『断熱等級・・の性能』と示されていますが、この『断熱等級』について、今日は概念的なところを簡単に説明しておきたいと思います。
『断熱等級』とは、住まいの「快適さ」と「省エネ性能」のモノサシと考えるとわかりやすいかもしれません。
住まいが「夏は涼しく、冬は暖かい」──そんな快適な空間を保つために大切なのが、断熱性能です。この断熱性能を数値化したものが「断熱等級」。
国が定めた基準に基づいて、壁や屋根、窓などの外皮部分が、どれだけ熱の出入りを防げるかを示します。

断熱等級は、等級の数字が大きいほど断熱性が高い=年中快適で光熱費も抑えられる住まい
ということになります。【制度のスタートは2000年】
断熱等級は、2000年に「省エネ基準」としてスタートしました。
その後、技術の進化やライフスタイルの変化に合わせて見直され、2022年には最上位の「等級7」が新設されました。

【等級ごとの快適さの目安】
前項でご説明したように、断熱等級とは、快適さの目安です。
では、等級ごとに快適さがどのように異なるのでしょうか。次にまとめました。
<等級1>
断熱基準を満たしていないレベル。夏は暑く冬は寒く、エアコンが手放せない状態です。
<等級2>
最低限の断熱性能はありますが、まだまだ快適とは言えません。冷暖房の効きも不十分に感じることが多いです。
<等級3>
一般的な住宅に多く見られるレベル。ある程度快適ですが、もっと快適に、もっと省エネにしたい方には物足りないかもしれません。
<等級4>
高断熱住宅のスタートラインとも言える性能ですが、2025年の4月から新築の確認申請では最低基準となりました。冷暖房効率がよく、快適に過ごせる方が増えます。省エネ面でも少し効果が期待できます。
<等級5>
さらに断熱性能が向上し、外気温の影響を受けにくくなります。冷暖房の使用も最小限で済み、光熱費の削減につながります。
<等級6>
ほとんどの地域で年間を通して快適な室内温度を保つことが可能に。高性能な住まいとして、将来的な資産価値も高くなります。
<等級7 (2022年に新設)>
現場で最高水準の断熱性能です。外の暑さ・寒さにほとんど影響されず、常に安定した室温を保てます。冷暖房にかかるエネルギーも最小限に抑えられ、環境にも家計にもやさしい住まいです。寒冷地や酷暑地域では、等級7の性能が特に力を発揮します。
次の図からもお分かりのように、断熱等級の違いで、同じ暖房をしていても足元の暖かさに大きく差が生じます。
また、断熱等級7では最低室温が15℃、等級6では最低室温が13℃と、等級が高いほど最低室温が上昇します。それによって暖房の無駄も改善され、冬の明け方でも快適な室温を維持できます。

また、次の表は、等級別のコストについてまとめたものです。 断熱等級が高いほど初期費用はかさみますが、その分省エネ効果が期待できます。等級が上がると初期費用の回収年は長くかかりますが、その間、夏は涼しく冬は暖かく、家族が快適かつ健康的に暮らせることがわかります。

【どの等級を選べばいいの?】
住まいの断熱性能は、暮らし方や地域の気候、間取りによっても異なりますが、下記は選ぶ際の目安です。
・暑さ・寒さが厳しい地域の方へ → 等級 7
・年間を通じて安定した快適さを求める方へ → 等級 6以上
・コストと性能のバランスを重視される方へ → 等級 4~5 以上は目安となりますので、設計段階でよく打ち合わせをする必要があります。

上の表は、等級の違いによる最低室温とエネルギー消費の違いを示したものです。
「部分室温間欠暖房」とは、各部屋に個別のエアコンを設置し、必要な時だけ運転する方式で、間欠運転が基本です。
一方、「全館空調連続暖房」は、1台のエアコンで家全体を連続運転し、家の構造躯体に蓄熱させることで、効率的な空調を実現します。
全館暖房を導入した場合、等級5だと等級4よりも1.5倍のエネルギーが必要となり、 等級6だと等級4の部分室温間欠暖房と同等のエネルギーで全館空調を使えることになります

【内海建設の等級】
内海建設では、昨年度までは「長期優良住宅」の等級5.3程度を標準としていましたが、今年度(令和7年度)からは『等級6』をベーシックに考えていきます。
もちろんお客様のご希望があれば、『等級7』での施工可能です。
【私たちにご相談ください】
お客様のライフスタイルやご予算、将来を見据えたご希望を伺いながら、最適な断熱等級の住まいを「新築」・「リノベーション」でご提案いたします。
性能にも、暮らしにも、妥協しない家づくりをご一緒に!!
どうぞお気軽にご相談ください。
文:内海建設 内海 明