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岡田 2024.06.28

木材の地産地消と「しずおか優良木材」の魅力

みなさまこんにちは。LIXILリフォームショップ内海建設の店長・岡田です。
前回のブログのスタッフ紹介にご登場いただいた「オールスタッフ株式会社」の営業部長・中村さんに、木材の特徴や「しずおか優良木材」についてのお話も伺ったので、その内容をもとに木材のトレビアや「しずおか優良木材」について詳しくご紹介します。

【知っておきたい木材のトレビアをプロから伝授!】

まずは、木材の専門家である「オールスタッフ株式会社」の中村さんから、興味深い木材の特性について教わりました。

『日光と木の成長の関係』

植物は日光を浴びて成長するため、十分な日光を浴びた木はぐんぐんと成長し、強度も増していきます。一方、日陰で育った木は成長が遅く、強度も劣りがちです。
気候が温暖な静岡県の杉やヒノキは豊かな日光を浴びてすくすくと育った木が多く、構造材として非常に適しています。



『木の生育場所と使用位置の関係』

家に使う木材は、山に木が生えていた時の姿と同じように使うのが基本です。
また、「木は生育の方位のままに使え」といわれるように、昔は木が山のどの方角に生えていたかまで考慮して建物に使用されていたそうです。

例えば、
「南に生えていた木」は「家の南側」に使用
「東に生えていた木」は「家の東側」に使用
というように、木の生育環境と家での使用位置を合わせる考え方がありました。

つまり、材木になっても、生育環境に近い気象条件や環境のもとで使うことが、その木の特性を一番引き出すことができるということになります。

また、項目1でお伝えしたように、太陽光を浴びてすくすく育った木は強度が増すため、家の骨組みとなる構造材に適しています。一方、日陰でゆっくり育った木は年輪が細かく詰まっているため、造作材(化粧材)に適しています。例えば、鴨居や腰板などに使用すると、室内の見た目が美しくなります。

木材の寿命

「千年成長した木は、材木としても千年生きる」といわれます。これは、長い年月をかけてゆっくりと成長した木材は、建材として使用された後も長期間にわたって耐久性を保つことを示しています。
このような木材の特性を理解することで、より適切な使用方法を選択することができます。
また、地元で育った木を地元で使う「地産地消」の家づくりが望まれる理由も、上記のことを知ると理解できますね。



静岡県の木材の特徴

静岡県は、豊かな森林資源に恵まれた木材の産地として知られています。大井川、富士川、天竜川流域の山々では、昔から林業が盛んに行われてきました。木材には、生育地ごとに独自の特徴があります。
まず、静岡県の木材の特徴について、地域ごとに見ていきましょう。

『大井川流域の木材』
大井川流域は「木都(もくと)」と呼ばれるほど歴史ある林業地域です。この地域の木材は、まっすぐで品質が良いことで知られています。日当たりが良く、水系にも恵まれているため、木が育つのに最適な環境が整っています。

大井川の木材の特徴:
・完満で通直(まっすぐ)な木が多い
・県内外で重宝される高品質材
・空気中の水分を吸放出し、長く使える
・雪害・風害が少ないため、「クセのない木」として珍重される


『富士川流域の木材』
富士山麓の厳しい環境のもと、ゆっくりと育った木材は、木目が細かく、強度や耐久性に優れています。特に「富士ヒノキ」と呼ばれるヒノキ材は上質材として有名です。

富士ヒノキの特徴:
・木目が細かく、強度や耐久性に優れている
・香りが良い
・富士山世界遺産センター展示棟の木格子にも使用されている


『天竜川流域の木材』
天竜美林は日本三大人工美林の一つに数えられ、特に「天竜スギ」と「天竜ヒノキ」が有名です。

天竜スギの特徴:
・美しい木目と心地よい肌触り
・日本の風土に適している
・長期の水湿に強い
・芯材の耐久性が高い

天竜ヒノキの特徴:
・強度があり、色艶が良い
・特有の芳香がある
・油分が多いため、水に強く腐りにくい
・虫がつきにくい
・加工しやすく、狂いが少ない
このように、静岡県産の木材はそれぞれに優れた特性を持っていますが、中でも特に品質が保証されているのが「しずおか優良木材」です。


「しずおか優良木材」とは?

「しずおか優良木材」は、認定を受けた工場が生産し、厳しい検査に合格した認証製品のことを指します。品質、含水率、強度、寸法などの項目に厳しい基準が設けられ、JAS相当の品質基準をクリアした製品だけが認証されます。

「しずおか優良木材」の種類:

しずおか優良木材認証審査会が認定した工場が生産し、品質検査に合格した製品
静岡県産JAS・JIS製品(静岡県産材証明制度によって産地と合法性が証明された木材を使用)

なぜ地元の木材を使うべきなのか?

家づくりには、木材を「地産地消」をすることが推奨されています。
では、なぜ地元の木材を使うべきなのでしょうか。

理由その1. 地域経済の活性化

地元の木材を使うことで、素材生産業者、製材加工業者、建築業者など、多くの地域の事業者の収入確保や雇用創出につながります。

理由その2. 森林の健全化

木材の利用促進は森林整備につながり、二酸化炭素削減による地球温暖化防止、土砂災害の防止、生物多様性の保全など、さまざまな環境面でのメリットがあります。

理由その3. 快適な住環境の実現

地元で育った木材は、その地域の気候風土に適応しているため、それを使用して建てた家は丈夫で長持ちし、快適な住環境を提供します。

理由その4. 持続可能な環境サイクルの実現

地元の木を使い、伐った分を植え直すことで、持続可能な環境サイクルが生まれ、自然を守ることができます。


木材の特性と住宅への活用

木材には、私たちの暮らしを豊かにする多くの特性があります。

・調湿効果:湿度を調整して快適な空間を作り出します。
・断熱効果:高い断熱性を持ち、床に用いれば足元の冷えを防ぎます。
・リラックス効果:木の香りがイライラを抑え、心と体をリラックスさせます。

これらの効果を最大限に引き出すためにも、「しずおか優良木材」の使用がおすすめです。
補助金を利用してお得に家づくり

静岡県では、「住んでよし しずおか木の家推進事業」という補助金制度があります。この制度は、品質の確かな「しずおか優良木材」等を使用した木造住宅の新築やリフォームを行う方に助成金を提供するものです。

この制度を利用することで、高品質な地元の木材を使いながら、コストを抑えて家づくりをすることができます。詳細は静岡県木材協同組合連合会のWEBサイトでご確認ください。
https://www.s-kenmori.net/kinoie/about-subsidies1/

また、しずおか優良木材供給センターのWEBサイトも参考になります!
https://www.s-kenmori.net/swood/about/outline/

まとめ
地元の木材を使うことは、快適な住環境の実現だけでなく、地域経済の活性化や環境保護にもつながります。新築やリフォームを考えている方は、ぜひ「しずおか優良木材」の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
内海建設及びLIXILリフォームショップ内海建設では、「しずおか優良木材」を採用し、補助金を利用して賢く・お得に叶える新築やリフォームをご提案しています。めんどうな補助金の申請手続きも、すべて当社にお任せいただければ大丈夫ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
文:LIXILリフォームショップ内海建設 店長 岡田

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