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社長 晴耕 2022.08.05

「コーチパネル」でもっと強い木の家をつくる

みなさまこんにちは。内海建設の社長 内海です。

コロナの感染拡大や気候変動による異常気象への脅威が高まる一方、常に忘れてはならないのが地震対策です。
東日本大震災以来、日本では地震が頻発しています。
特に熊本地震では震度7の揺れが連続して襲い、「繰り返しの揺れ」に強い家づくりがいっそう求められるようになりました。

そこで当社では、大きな揺れや繰り返しの揺れにもっと強い家をご提供するため、「コーチパネル」というパネルを使った「耐力壁」を用いています。

近年、日本で起きた地震で倒壊した建物は、 本震には耐えられたものの、繰り返しの余震によって徐々にダメージを受け、結果的に倒壊してしまったという例も少なくありません。

巨大地震には繰り返し来る余震が付きものですが、そんな余震にも耐えうる力を持つのが、このコーチパネルなのです。

今回は、そのコーチパネルの仕組みと特徴をご紹介します。

■コーチパネルとは
コーチパネルは、木造住宅を高品質化・高耐久化するために開発された「はめ込み型」の耐力壁です。

では、「はめ込み型」の耐力壁とは、一体どういう意味でしょうか。まず、耐力壁についてご説明します。


<耐力壁とは>
木造の建物は、単にその骨組みとなる柱や土台、梁を組んだだけでは、地震や台風によるダメージが加わった途端、簡単に変形してしまいます。

地震には「縦揺れ」と「横揺れ」がありますが、建物は真上からの重さには柱で耐えることができますが、横から加わる力にはとても弱いのです。

そこで、建物に横方向から力が加わったときに耐えるために必要なのが、「耐力壁」です。

耐力壁が揺れに耐えることができれば、家は倒壊しないで済みます。

■従来の工法との比較
従来の木造建築では、柱と柱の間に筋交いを設けて「耐力壁」をつくり、建物に強度を持たせるのが一般的でしたが、『筋交い』の場合は、地震の力が柱や筋交いの接合部分に集中して加わることで、筋交いが破損するリスクがあります。

また、柱を壁で隠す『大壁』の場合には、柱と面材を釘で連結しますが、それだと地震の力によって釘が引き抜けてしまう恐れがあります。

それに対して『コーチパネル』は、面材と枠材が一体になったパネルを柱と柱の間に「はめ込む」ことで、筋交のように折れたり、大壁の面材のように釘が抜けたりすることなく、繰り返しの揺れにも負けず、今までの耐力壁にはない圧倒的な強さが実現します。

建築基準法では、耐力壁の強さを「壁倍率」で表しますが、上の各図をご覧になっておわかりのように、コーチパネルの壁倍率は4.8相当!

従来の工法と比べて約2倍の耐力を発揮します。
これは、震度7強を超える巨大地震や、繰り返し起こる余震にも十分に耐えられるほどの強さです。

コーチパネルを製造しているメーカーは、コーチ株式会社といって、浜松市天竜区春野町に本社があります。
同社では、コーチパネルの耐久性を実証するために、静岡県農林技術研究所で耐久実験を実施しました。

従来の工法とどのくらいの違いがあるのか、どの程度の耐力や粘り強さを発揮するのかを動画でぜひご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=k6UBvLyPKIc&t=9s

■均一な品質を保つコーチパネル
さらに、コーチパネルは施工の誤差なく、品質が均一化された製品を使って家を建てられるのも大きなメリットの1つです。

建築現場で人の手によって耐力壁をつくると、どうしてもわずかな誤差が生じ、それが耐震性を低減する原因となります。

それに対してコーチパネルは、最新設備を備えた工場で、機械を使って10分の1ミリ単位で材料をカットし、均一な力で釘打ちをしますので、誤差のない精巧なパネルが完成します。

■断熱材を組み込める
また、パネルと一緒に断熱材を組み込むことができるので、断熱材も隙間なく施工でき、壁内結露も防止できます。

このように、優れた品質が認められ、コーチパネルは現在、建物の耐震性や耐久性に対する意識が高い全国各地の住宅会社で採用されています。
当社でも、地元の企業ということで随分早くからその品質に着目し、新築やリフォーム時に採用してきました。
現在でもコーチパネルを扱っているのは菊川市内で当社のみです。

マイホームは一生に一度の大きな買い物。大切なご家族の命や財産を守るためにも、地震や災害に強い家でなければなりません。
当社では、コーチパネルを用いて、地震にもっと強い家をご提供いたしますので、安心して家づくりをお任せください。

文:内海建設 社長 内海 明

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